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意外と知られていないペルシャ絨毯の歴史

数ある絨毯の中で、高級絨毯として知られているのがペルシャ絨毯です。しかし意外に、その歴史についてはあまり知られていないのが現状です。そこでここでは、ペルシャ絨毯の歴史を簡単に紹介します。



ペルシャ絨毯が作られていたのは、今のイラン周辺でされていますが、実のところその起源は定かではありませんが、今から3000年~4000年前がその起源と言われています。もちろんその頃の物は今のような、パイル織ではなく、獣毛を固めたような物だったと考えられています。太古に作られた絨毯で現存している物はほとんどありません。



いわゆる絨毯と呼べるようになったのは、約2500年前に製作されたと考えられている、古代文明パジリクで発見されたパジリク絨毯です。



元々は、身分の高い王族が来世に無事に行くことができる祈りと、来世でも現世と同じような地位に就けるように遺体と共に埋葬されていました。羊毛とらくだの毛の地糸に羊毛のパイルを用いたこの絨毯は、墓を荒らす盗賊などからの被害に遭わず、寒さによる永久凍結状態によって状態が保たれ、凍結された状態のまま発掘されました。



このパジリク絨毯は、約1.8×2mの大きさの中に5列のボーダー文様を配し、中央には鹿、馬を引く人、騎馬人物、赤を基調としつつ細部に使われている色彩構成などから、ペルシャで作られたと推測されましたが、最近の学説では中央アジア製作説が有力とされています。



ペルシャ絨毯は、シャー・タハマースブ(1524年~1576年)とシャー・アッバス1世(1587年~1629年)の時代に栄えた、サファビー朝の時代に全盛を迎えます。シャー・アッバス1世によって、都がイスファハンに移設された時には、新しい王宮、庁舎、邸宅の建設に伴って、絨毯の需要が増大し、宮廷に工房が作られる程でした。



その後今のイランでは、再び1860年頃から急激に絨毯の製作が盛んになりました。今日私達が目にしているペルシャ絨毯の多くは、この時期以降に製作された物です。



確認されている、現存する最も古いペルシャ絨毯は、中世以降ペルシャの貿易の拠点となっていた、イラン北西部の町タブリーズ付近で、16世紀頃にタブリーズの商人たち手によって作られていた、タブリーズ絨毯と言われています。このタブリース絨毯は、ヨーロッパの美術館、博物館に数多く所蔵されており、中でも有名なのがロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館に所蔵されている、毛と絹で作られたアルデビル絨毯です。

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