ギャッベというのを聞いたことがない人も日本人なら多いと思います。これはイランの南西部の遊牧民であるカシュガイ族によって織られる手織りの絨毯を言います。
彼らは山岳地帯を移動していく生活で利用し、羊毛を使ってざっくりと織り、ベッドとして利用していたのです。
イランには代表的な絨毯としてペルシャ絨毯があり、ペルシャ絨毯の持つ豪華絢爛な高級感とは大きな差があります。
そのために長い間イランではその粗い形状からもゴミとして扱われ、ずっと存在を知られることはなかったのですが、近年の欧米のバイヤーがギャッベのアート性を高く評価したことから一気に世界的に市場が拡大し、そこからギャッベの品質も向上していき高い評価を得られ、今ではイランの代表工芸品の1つにされています。
そんなギャッベですが特徴としては草木などの自然をそのまま絨毯にしたようなデザインであり、遊牧民である彼らが身の周りにある自然をモチーフにして絨毯という形に織り込んでいきます。
動物の生命や自然、日常生活を描くことで他にはない個性的なデザインが特徴されています。
そのデザインの暖かみはペルシャ絨毯にはない個性として売りのひとつになっています。
その自然の暖かさを生み出す理由として、何よりも手織りで手間をかけて織られているために二つとして同じものが存在しないというオリジナリティとサイズも全て不揃いであり人間味に溢れています。
そのデザインも素朴で味があり、草木を使った自然染料がそれをさらに強めています。
出来栄えの不揃いさから質に違いがあるのですが、手織りだけに丈夫に作られており、機械織りにはない耐久性があります。
そのためメンテナンスも容易で元々が汚れにくいものです。
自然染料を使っているメリットとして踏めば踏むほど色合いが変わり味が出るというものがあります。
その生活品としての高さは他の機械織り絨毯では出せないものです。
例えば水をこぼしたとしても、すぐに拭き取れば一切汚れることはありません。
それは素材である羊毛の油分が水滴をはじいてくれるからです。
しかしシミができると拭きとっても取れるものではないので、コーヒーや紅茶などの濃い色の水分は出来る限り回避したほうがいいと思います。
前述したように元々が丈夫にできているので基本的には掃除機を使ってゴミやほこりを取る程度で十分長持ちします。
汚れがついた時は水洗いをして綺麗にするのがイランの清掃方法です。
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