ペルシャ絨毯というのは以前ペルシアと呼ばれていた現在のイランで今でも製造され続けている絨毯のことを言います。ペルシャ絨毯はペルシアの芸術を代表する美術品として有名で、敷物以外にもテーブルクロスや壁の飾りにも使用されています。主に素材は羊毛ですが様々な羊の毛を用いて作られています。絹の生地で出来たものもあるにありますが、絹は希少性が高く羊毛よりも耐久度が低いという点から敷物としてではなくタペストリーにされていたようです。デザインも様々なものがあり、製造されていた地方が異なっていたためにデザインも大きく異なっていたようですが、共通する点ではどのペルシャ絨毯でもアラベスクや唐草、円形、幾何学文様を使用しています。
床の上の芸術品と言われたペルシャ絨毯は絶対的な特徴として全て手織りということが言えます。機械で作られたものは絶対にそう呼ばれることはありません。織りの最高級の技術は職人の技によって成される芸術で年月を伴うものとなっています。地域それぞれで異なる様々な文様は手織りならではの味わいを感じさせます。また天然の染料と細やかに織られたペルシャ絨毯は踏めば踏むほど深い色の味合いが出ると言われています。使用すればするほど美しくなる芸術品としては他にはないものです。飾るだけだけではなく生活の一部になる例外的な高級品として、そこが海外の一流セレブや富裕層に大好評となる点と言えます。本来はこういった生活品は耐久性に難があるとすぐにダメになってしまいますが、高度な技術とその生地に用いる羊毛の強さが100年を越える酷使にも耐える耐久性を保有しています。子々孫々に引き継がれる伝統的な存在として世界最高級品と名高いのも肯けます。ただ注意として最近中国製のペルシャ絨毯が売られていますがほとんどが機械製で素材も異なります。値段も安く販売されていることが多いのですがそれはイランの手織りとは格が違います。イランでは日本人が畳の上で生活するようなことと同じように畳のような感覚として扱われていて、新しい家に入る時はまず始めに購入するものです。それゆえにその質へのこだわりは他国ではけして真似のできないものとなっています。