ギャッベの色

ギャッベの色について

On the Colors of Gabbeh Rugs

ギャッベの色について

ギャッベの魅力を語るうえで欠かせないのが、豊かな色彩です。
伝統的なファールス地方の絨毯では、
茜や藍、クルミ、ザクロなど、自然由来の素材を利用した染色が行われてきました。

天然染料で染めた糸は、一見すると同じ色に見えても、よく見ると少しずつ濃淡が異なります。
この自然な色の変化が、ギャッベ独特の奥行きのある表情を生み出します。

均一に仕上げられた工業製品とは異なり、
見る角度や光の入り方によって印象が変わるのも楽しみのひとつです。

自然の素材を利用して
羊毛を染める

Dyeing wool using natural materials

自然の素材を利用して羊毛を染める

伝統的なギャッベでは、身近な植物などから得られる天然染料を利用して羊毛を染めてきました。
代表的なものとして知られているのが、赤色を生み出す「茜(あかね)」や、青色に使われる「藍(あい)」です。

このほかにも、ザクロの皮やクルミなど、その土地で手に入るさまざまな植物が染色に利用されてきました。 自然から得られる材料を組み合わせ、染め方を工夫することで、多彩な色の糸が作られていきます。

ギャッベに使われる代表的な色

Typical colors used in Gabbeh rugs

ギャッベに使われる代表的な色

ギャッベを代表する色のひとつです。
伝統的な染色では茜などが利用され、鮮やかな赤から深みのある赤まで、さまざまな色合いが生み出されます。

青色には、伝統的に藍などが使われてきました。
明るいブルーから深い藍色まで濃淡があり、赤と並んでギャッベの印象的な色彩を作り出します。

黄色系の染色には、地域で得られる植物など、さまざまな天然素材が利用されます。
単独で使われるだけでなく、ほかの色と組み合わせることで、ギャッベの豊かな配色を作ります。

緑は、異なる染料による染色を組み合わせることで作られる色のひとつです。
ギャッベでは深い緑から明るい緑まで幅広く使われ、赤や黄色などと組み合わせたデザインも見られます。

アイボリー・ベージュ・ブラウン

すべての羊毛を染める必要はありません。
羊には白やアイボリー、茶、黒などさまざまな毛色があり、その自然な色をそのまま生かして織られるギャッベもあります。
染色していない羊毛ならではの柔らかな色合いは、ナチュラルなデザインのギャッベにもよく似合います。

同じ色なのに少しずつ違う
「色の揺らぎ」

“Color variations”—subtle differences despite
being the same color.

同じ色なのに少しずつ違う「色の揺らぎ」

ギャッベを近くで見ると、一面が赤いギャッベでも、完全に均一な赤ではないことがあります。
濃い部分があったり、少し明るい部分があったりと、同系色の中に自然な濃淡が現れます。

天然染料による染色では、植物の状態や染色する時期、染液の濃度などによって、
まったく同じ色を再現することは簡単ではありません。

さらに、手紡ぎされた羊毛そのものにも一本一本違いがあります。
こうしたさまざまな要素が重なることで、機械で均一に染められた糸とは異なる、
ギャッベならではの豊かな色の表情が生まれます。

色の変化もデザインになる
「アブラッシュ」

“Abrash”: Where color variation becomes
part of the design.

色の変化もデザインになる「アブラッシュ」

手織り絨毯では、一枚の中に現れる自然な色の濃淡や変化を「アブラッシュ」と呼ぶことがあります。

途中で使用する糸が変わると微妙に色合いが異なり、その境目が帯状に見えることがあります。
これは必ずしも色ムラや染色の失敗というわけではありません。

手仕事や天然素材から生まれた色の違いが、一枚の絨毯の中にそのまま残ったものです。
ギャッベを少し離れて眺めたときに感じる奥行きや、
単色でありながら単調に見えない表情には、こうした色の揺らぎも関係しています。

光によって変わるギャッベの表情

The changing appearance of Gabbeh rugs
depending on the light

光によって変わるギャッベの表情

ギャッベの色は、見る方向や光の当たり方によっても印象が変わります。
羊毛には毛の向きがあるため、光を受ける方向によって明るく見えたり、深い色に見えたりすることがあります。

お店で見たときと自宅に敷いたとき、昼間の自然光と夜の照明の下でも、
同じギャッベが少し違った表情を見せることがあります。

これも羊毛を使った手織り絨毯ならではの楽しみのひとつです。

時間とともに楽しむ、
天然染料の色合い

The hues of natural dyes, enjoyed as time goes by.

時間とともに楽しむ、天然染料の色合い

天然染料で染められたギャッベは、使い込むことで少しずつ色合いや風合いが変化していきます。
急激な色落ちとは異なり、年月を重ねる中で色がなじみ、落ち着いた表情へと変化していくことがあります。

新品の鮮やかな色合いだけではなく、
暮らしの中で使いながら変化していく姿を楽しめることも、天然素材を使ったギャッベの魅力です。

一枚ごとに異なる色との出会い

Encountering a different color with every single sheet.

一枚ごとに異なる色との出会い

同じ「赤いギャッベ」であっても、使われている糸や染まり方、
色の組み合わせによって、その表情は一枚ずつ異なります。

鮮やかな色を主役にしたものもあれば、無染色の羊毛を生かした落ち着いたものもあります。
色を均一に揃えるのではなく、自然素材から生まれるわずかな違いまで一枚の個性として楽しむ。

ギャッベを選ぶ際には、柄だけでなく、
ぜひ一枚の中に広がる色の濃淡や羊毛の表情にも目を向けてみてください。