ギャッベの素材について
About Gabbeh Materials

伝統的なギャッベでは、主に羊毛(ウール)が使われています。
ファールス地方の絨毯織りでは、現地で刈り取った羊毛を糸にし、絨毯へと仕上げてきました。
ウールは弾力性があり、踏んだときに柔らかな感触があります。
また、ギャッベは比較的毛足を長く残して仕上げられるため、ふっくらとした厚みを感じられるのも特徴です。 もともと遊牧生活の中で敷物として使用されてきた背景を持つことから、美しさだけではなく、日常生活で使える丈夫さも備えています。
リビングやダイニングはもちろん、玄関やベッドサイドなど、さまざまな場所で楽しむことができます。
遊牧民の暮らしと羊毛
Nomadic Life and Wool

ギャッベの代表的な産地であるイラン南西部のファールス地方では、古くから羊などの家畜とともに暮らす遊牧文化が受け継がれてきました。
絨毯作りにも、身近な羊から刈り取った羊毛が利用されてきました。
羊毛を洗い、糸として紡ぎ、染色して絨毯を織る。ギャッベは、その土地で得られる素材を暮らしの中で活用することから生まれた敷物でもあります。
手で紡いだ糸が生み出す
豊かな表情
The rich character created by hand-spun yarn.

伝統的なギャッベでは、羊毛を紡いで作った糸を使って織り上げていきます。
手仕事で紡がれた糸は、機械で作られた糸のように太さが完全に均一ではありません。
細いところや太いところがあり、撚り方にもわずかな違いが生まれます。
この自然な不均一さが、実際に絨毯として織り上げたときの素朴で柔らかな表情につながります。
同じ色の糸を使った部分にもわずかな変化が現れ、一枚のギャッベに独特の奥行きを与えてくれます。
ウールならではの
弾力と心地よさ
The resilience and comfort unique to wool.

羊毛には天然の縮れがあり、繊維同士の間に空気を含みやすいという特徴があります。
そのためギャッベは、足を乗せたときに適度な弾力があり、
厚手のものではふっくらとした踏み心地を感じられます。
また、ウールには湿気を吸収・放出する性質があるため、冬だけでなく一年を通して使いやすい素材です。「厚い絨毯だから冬だけ」というイメージを持たれがちですが、ギャッベが季節を問わず暮らしに取り入れられている理由のひとつに、羊毛そのものが持つ性質があります。
汚れが付きにくいのも
ウールの特徴
Resistance to dirt is also a characteristic of wool.

羊毛の表面は、キューティクルと呼ばれるうろこ状の構造に覆われています。
また、羊毛には天然の油分も含まれています。
こうした性質から、汚れが繊維の内部まで入り込みにくく、
日常のお手入れがしやすいこともウール製ギャッベの特徴です。
羊毛そのものの
色を生かしたギャッベも
There are also Gabbehs that showcase the
natural color of the wool itself.

ギャッベというと赤や青などの鮮やかな色を思い浮かべるかもしれませんが、
羊毛そのものの色を生かしたものもあります。
羊の毛には白だけでなく、アイボリー、ベージュ、茶、黒などさまざまな色があります。
こうした羊毛を染めずに組み合わせることで、天然素材そのものの色合いを生かしたギャッベを作ることができます。
一頭一頭の羊によって毛色が微妙に異なるため、均一な一色ではない自然な濃淡も魅力です。
天然素材だからこそ、
一枚ごとに違いがある
Precisely because they are made from
natural materials, each piece is unique.

羊毛は自然から生まれる素材です。
そのため、毛の太さや色、風合いなどがすべて均一になるわけではありません。
さらに手紡ぎや手織りによって生まれるわずかな違いが加わり、一枚一枚異なる表情のギャッベが出来上がります。
天然の羊毛を、人の手で糸にして、さらに一目ずつ織り上げる。
ギャッベの温かみや心地よさは、デザインだけではなく、その素材と作り方から生まれているのです。
使い始めには、表面に残った短い繊維が「遊び毛」として出ることもあります。
これはウール製の手織り絨毯に見られる現象のひとつで、
普段のお手入れを続けることで徐々に落ち着いていきます。
